PMは高収入が期待できますが、辛い状況が多いです。辛い状況の事例を集めてみました。
プロマネは辛いよその1 納期に間に合わない
顧客の納期に間に合わない。
一度遅れたら、進捗を取り戻すのは無理です。
その結果、顧客から信用をなくしていき、おたくの報告は信用できない。そんな空気になっていきます。
進捗報告の信頼性、精度を高めるために、進捗確認・報告の頻度が上がっていきます。
顧客からは毎日の進捗報告を要求されるようになってしまいます。
そんな時の進捗報告会は憂鬱です。
さりとて、進捗確認や進捗報告の頻度を上げたからといって、現状把握の精度は上がるかもしれませんが、実作業の進捗が上がるわけではありません。
実作業の進展には貢献しない進捗報告がPMのさらなる負担になっていきます。
顧客要求はこうだと実作業を担うメンバーに伝えても「そうはいってもできません」としか言いようがありません。
遅れてることを詰められてる状況なので、顧客にはこれならできるという現実的なWBSを再提示することになります。
顧客が要求する納期には到底間に合ってないWBSです。
とはいえ現実的にそうなんだから、顧客もそのWBSを最終的には飲まざるを得ません。
自社では到底間に合ってないので、なんとか増員できないかという話になっています。
その結果、赤字を出して自社エンジニアを増員することになります。
そういうがいきなり決まったりするので、PMは新メンバーの受け入れ準備に忙しくなります。
メンバーが増えるのでPMの管理コストが上がります。
そういう時は、メンバーには自律的に動いていくようお願いすると良いです。
メンバーが優秀な場合、あっという間に残タスクを消化してくれることがあります。
そうやってプロジェクトは鎮火していくのでした。
プロマネは辛いよその2 スケジュールが組めない
現在ではBacklogという優れたチケット管理システムがあります。バグ管理をBacklogでやっているプロジェクトは多いのではないでしょうか。
結合テストや総合テストなどのバグ票をBacklogで管理していると、一気に100チケット起票されることがあります。
顧客からは当然、いつ終わるの?と聞かれます。
100チケットがいつ終わるかなんて、見通すのは物量的に無理です。
1チケット1.5日で消化していくと仮定して、150人日必要です。
エンジニアは2人いるので、75日かかります。
ざっくりとそれぐらいの報告になります。
チケット消化に75日っていう時点で、1ヶ月20営業日として休みなく働いても4ヶ月必要になっちゃいますよね。
そうなったらプロジェクトはアウトです。
見積もりの精度を上げるために100チケットの中身をすべて確認して、妥当な工数を出すのは非常に時間がかかります。
自分で見積もった数字でエンジニアにやらせても、エンジニアは自分が出した工数じゃないのでコミットする理由がありません。
「その工数では無理です」「あなたが勝手に言った工数」ですよね?と言われて終わります。
でも顧客には「いつ終わるの?」を終わるまで永遠と聞かれます。
・「X月中に終わります」
・X月末になって「無理ですね。。。」
・「Y月中(X月+2ヶ月)には終わらせます」
・Y月末になって「無理ですね。。。」
の繰り返しです。
この間、プロマネは眠れない地獄の日々が続きます。
プロマネは辛いよその3 増員に対して生産性は比例しないよ?
炎上案件に対して、増員することで鎮火を図ることはよくあるでしょう。
ただし新メンバーがそのプロジェクトに適したスキルを持っていることが大事です。
そうでない場合、PMの管理コストだけが上昇して、増員のための金銭コストに見合った改善効果が得られません。
増員する時は、何がボトルネックとなっていて、何を解消したいから増員するのか?が明確になってる必要があります。
その理由に適した人員を連れてきてくれないと、思い描いたように進めることができません。
「炎上してるからとにかく増員」だと、エンジニもPMも疲弊するだけです。
プロマネは辛いよその4 顧客とビジネス上の関係しかできていない
顧客とはビジネスの繋がりなわけですから、ビジネス上の関係しかできてなくて当然じゃん?と思うかもしれません。
ですが、ビジネス上の関係しかできてないと、容赦なく詰められます。
ビジネス上の関係しかなくても、少なくとも雑談ぐらいはできる関係にしておくべきで、雑談すらやったことがなければ、雑談ぐらいはすぐにやった方が良いです。
それだけでこちらの言い分も多少通りやすくなり、顧客も一緒に問題解決してやろうという姿勢が出てきます。
雑談から始めて、できれば顧客の趣味の話ぐらいはしておくべきでしょう。プロジェクトと関係ないじゃん?って思うかもしれませんが、私はあると考えています。
むしろ、非常に重要なことだと考えています。
顧客とビジネスの会話、つまりプロジェクトの話しかできない関係は希薄な人間関係と言えます。
プロジェクト外の天気や雑談や趣味の話もしてこそ、信頼関係が築けるようになります。
プロジェクトの話というのはビジネスの話なので結果にシビアにならざるを得ません。お金の損得が発生しない雑談が成立しないのに、ビジネスの話が成立するわけがないと思っています。
ビジネス上の関係だけでも良い結果が出ている時は問題がないです。しかし、ちょっとでも雲行きが怪しくなってくると、後々その関係性の希薄さが問題解決の妨げになってきます。いざという時に助けてもらえない・手を差し伸べてもらえないという悲しい状況につながるのです。